僕が一番欲しかったもの


さっきとても素敵なものを
拾って 僕は 喜んでいた
ふと気づいて横に目をやると
誰かがいるのに気付いた
その人はさっき僕が拾った
素敵なものを今の僕以上に
必要としている人だと
言う事が分かった

惜しいような気もしたけど
僕はそれをあげる事にした

きっとまたこの先探していれば
もっと素敵なものが見つかるだろう
その人は 何度もありがとうと
嬉しそうに 僕に笑ってくれた

その後にもまた僕は
とても素敵なものを拾った
ふと気が付いて横に目をやると
また誰かがいるのに気づいた
その人もさっき僕が拾った
素敵なものを僕以上に
必要としている人だと
言う事が分かった

惜しいような気もしたけど
またそれをあげる事にした

きっとまたこの先探していれば
もっと素敵なものが見つかるだろう
なによりも 僕を見て嬉しそうに
笑う顔が見れて嬉しかった

結局僕はそんな事を何度も 繰り返し
最後には何も見つけられないまま
ここまで来た道を振り返ってみたら

僕のあげたものでたくさんの
人が幸せそうに笑っていて
それを見た時の気持ちが僕の
探していたものだとわかった
今までで 一番素敵なものを
僕はとうとう 拾う事が出来た